チェロの有名曲を紹介(前編)
2020.08.05音楽のマナビ
歴史的に最も多くの作曲家に愛され、独奏曲のレパートリーに恵まれた弦楽器は、バイオリンで疑いはないでしょう。
(ポピュラーも含めればギターではないかとの声もありますが、今回はクラシック音楽に絞ります)
では、バイオリンの次に独奏曲に恵まれた弦楽器はどれでしょうか?
ビオラ?コントラバス?ハープ?
違うんです!
ビオラやコントラバスと比べ、圧倒的にチェロのための曲が多く書かれました。
今回は、チェロのために書かれたソロ曲の中でも、特に名曲といわれる作品を年代順にご紹介していきます。
バッハ「無伴奏チェロ組曲第1番~第6番」
チェロ1台で、あたかもピアノ曲のようにメロディーから伴奏までこなす難曲です。
全6曲ありますが、いずれも古典的な舞曲を集めた組曲です。
その中でも第1番のプレリュードは、チェロ曲で最も有名な曲の1つです。
ハイドン「チェロ協奏曲第1番・第2番」
「クラシック音楽」という言葉がもつイメージを、最も端的にあらわした音楽―それは、ヨーゼフ・ハイドンによって書かれた楽曲だといえます。
しかし、このチェロ協奏曲においては、クラシック音楽という言葉の堅苦しさ、退屈さはほとんどありません。
両曲ともに強い推進力をもち、躍動感に満ちた作品です。
特に第2番は、超絶技巧のオン・パレードであり、名人芸と伸びやかな旋律が魅力的です。
ショパン「序奏と華麗なるポロネーズ」
ショパンが17歳の時に書いたといわれる、チェロとピアノのための小品です。
ショパンらしい甘味かつ華やかな序奏と、後にかかれた「英雄ポロネーズ」を思い起こすような、騎士道精神を感じさせるポロネーズからなります。
後年の作品群に劣らない傑作です。
シューマン「チェロ協奏曲」
シューマンの後期作品です。
後期作品らしい渋い音楽ですが、夢見がちな楽想が魅力です。
シューマンが作曲のためにチェロを練習していた成果が現れています。
しかし、プロのチェリストから聞いたところによると、技巧的には演奏可能なギリギリのラインといえるほど難易度が高いようです。
チェロの有名曲、いかがでしたか?
後編でも引き続き、チェロの有名曲を紹介します!