10万円の壁が崩れた?「安ギター」の黄金時代を徹底分析
公開日:2026.02.24 更新日:2026.02.21バンド楽器音楽を始めよう♪
楽器店の入り口付近に並ぶ、色とりどりのギターたち。ふと値札に目をやると、3万円、5万円といった数字が並んでいます。「安いな」と思う反面、かつてギターに熱中した経験のあるリターンギタリストの方や、これから始めようとする慎重派の若者なら、こう思うはずです。「こんなに安くて、本当にまともに弾けるのか?」と。
かつて、ギター界には「10万円の壁」という言葉がありました。「本気で始めるなら、最低でも10万円以上のものを買わないと後悔する」という、ある種の鉄則です。しかし、2020年代半ばを迎えた今、その常識は音を立てて崩れ去ろうとしています。
今回は、驚異的な進化を遂げた現代の「安ギター(エントリーモデル)」の現状を分析し、私たちが今、何を選ぶべきなのかを深く考察していきましょう。
目次
1970年代と2026年、数万円が持つ「価値」の決定的な違い

まず、時計の針をぐっと戻してみましょう。1970年代から80年代にかけての「数万円のギター」は、正直に言って、初心者にとっての「試練」に近いものでした。
当時の安価なギターは、チューニングがすぐに狂うのは当たり前。弦高(弦と指板の隙間)が無駄に高く、弾くだけで指が痛くなるような個体も珍しくありませんでした。「ギターは挫折する人が多い楽器」と言われてきた理由の何割かは、実はこの「粗悪な入門機」にあったのではないかとさえ私は考えています。
しかし、2026年現在の数万円は、全く別の意味を持ちます。
物価変動を考慮しても、今の5万円のギターは、かつての15万円クラスに匹敵する「精度」を持っています。これは単なる精神論ではなく、製造現場における劇的なテクノロジーの進化がもたらした恩恵なのです。
「安かろう、悪かろう」を過去にしたCNCマシンの功績

なぜ、今の安いギターはこれほどまでにクオリティが高いのでしょうか。その最大の功労者は、「CNC(コンピュータ数値制御)マシン」の普及です。
かつては熟練の職人がカンナやヤスリで削っていた木材の加工を、今は精密なプログラムを組んだ機械が、1ミリの狂いもなく自動で行います。この「精度の均一化」が、安ギターから「当たり外れ」を激減させました。
特に注目すべきは、以下の3点です。
- フレットの処理: 指を滑らせた時にチクチク痛む「バリ」が、今の入門機にはほとんどありません。
- ネックの安定性: 乾燥技術の向上により、安価なモデルでもネックが反りにくくなっています。
- パーツの信頼性: ペグ(糸巻き)などの金属パーツの精度も上がり、演奏中にチューニングがガタガタになる恐怖から解放されました。
つまり、現代のエントリーモデルは「音色」こそ高級機に譲るかもしれませんが、「楽器としての道具の使いやすさ(プレイアビリティ)」に関しては、すでに十分すぎる合格点に達しているのです。
「最初の一本は高いものを」という格言は、もう古い?

ここで一つの疑問が浮かびます。「最初の一本は無理をしてでも高いものを買え」という昔からの教えは、もう無視していいのでしょうか?
結論から言えば、「半分正解で、半分はアップデートが必要」です。
高いギターを買う最大のメリットは、今も昔も「モチベーションの維持」にあります。「こんなに高いものを買ったんだから、練習しなきゃ」という適度なプレッシャーは、上達を早めるガソリンになります。また、プロと同じ音がするという感動は、何物にも代えられません。
しかし、「安いギターだと変な癖がつく」「安物だと上達が遅れる」という実利的な心配に関しては、現代の工作精度の前では、ほぼ杞憂に終わるでしょう。むしろ、今は「浮いた予算で良いアンプを買う」「プロのレッスンに通う」といった、効率的な投資の分散が可能になった時代なのです。
リターンギタリストが驚く、現代の「コスパ機」事情
もし、あなたが20年ぶりにギターを手に取る「リターンギタリスト」なら、今の市場を見て腰を抜かすかもしれません。
例えば、5万円前後の価格帯でも「ローステッドメイプルネック」や「ステンレスフレット」といった、かつては数十万円のカスタムショップ製にしか搭載されなかった仕様が、当たり前のように並んでいます。
「昔の数万円」をイメージして現代のギターを弾くと、その滑らかな弾き心地に「自分の腕が上がったのではないか?」と錯覚することでしょう。これこそが、技術革新がもたらした「安ギター黄金時代」の正体です。
まとめ:大切なのは「壁」ではなく「扉」
10万円という壁は、もはや私たちを拒む高い障壁ではありません。むしろ、誰でも気軽に素晴らしい音楽の世界へ飛び込める「開かれた扉」になったと言えるでしょう。
もちろん、いつかは憧れのヴィンテージや高級ブランドを手に入れたいという夢を持つのは素晴らしいことです。しかし、その第一歩を飾るのが5万円のギターであったとしても、今の時代、それは決して「妥協」ではありません。
大切なのは、いくらのギターを買うかではなく、そのギターでどんな景色を見るか。
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