ギターの世界には、一見難しそうな専門用語がたくさんありますが、この「コイルタップ」は知っておくとギター選びや音作りが何倍も楽しくなる、まさに「魔法のスイッチ」のような機能なんです。今回は、コイルタップの仕組みから、使うことで得られるメリット・デメリット、そして具体的な活用方法まで、音楽初心者の方にも分かりやすく、噛み砕いて解説していきます。
「1本のギターで、もっと色々な音を出してみたい!」そんな願いを叶えてくれるコイルタップの世界を、一緒に覗いてみましょう。
目次
1. コイルタップって何?仕組みを簡単に説明
まず、コイルタップを一言で説明すると、「ハムバッカー(大きなマイク)の片方を休ませて、シングルコイル(細いマイク)のような音にする機能」のことです。……これだけでは少し分かりにくいので、マイクの種類からお話ししますね。
解説:ギターのマイク「ピックアップ」の基本


エレキギターには弦の振動を拾うマイクが付いています。これを「ピックアップ」と呼びます。主に以下の2種類があります。
- シングルコイル: 細長い形。キラキラした明るい音が得意だが、少しノイズが乗りやすい。(例:フェンダー・ストラトキャスター)
- ハムバッカー: シングルを2つ並べたような大きな形。太くて力強い音で、ノイズに強い。(例:ギブソン・レスポール)
コイルタップ機能が付いているギターは、通常は力強い「ハムバッカー」として動いていますが、手元のスイッチ(ボリュームノブを引き上げるタイプなど)を操作することで、内部的に2つあるコイルのうち片方への電気を遮断し、擬似的に「シングルコイル」っぽい動作をさせることができるのです。つまり、「1本のギターの中に、2種類の性格のマイクが入っている」状態といえます。
???? 専門的なマメ知識: 厳密には、コイルを途中で分岐させるのを「コイルタップ」、2つのうち1つを完全に切るのを「コイルスプリット」と呼びますが、ギター業界では慣習的にどちらも「コイルタップ」と呼ぶことが多いです。ここでは一般的な呼び方に合わせて解説しますね。
2. コイルタップを使うメリットは?

なぜ、わざわざコイルを半分にする機能が必要なのでしょうか。それには、現代のギタリストが求める「柔軟性」が大きく関わっています。
メリット①:音作りのバリエーションが劇的に増える
最大のメリットは、何といっても「音色の幅」です。激しいロックを弾くときはハムバッカーで太く歪ませ、バラードの澄んだアルペジオやカッティングを弾くときはコイルタップしてシャープな音にする……といった切り替えが、ギターを持ち替えず、手元のスイッチ一つで可能になります。ライブ中に「次はシングルコイルの音が欲しいな」と思った瞬間、瞬時に変身できるのは非常に便利です。
メリット②:機材を減らせる(荷物が軽くなる!)
プロの現場でも、曲によってストラトとレスポールを使い分けることがありますが、アマチュアが練習やライブにギターを2本持っていくのは重労働ですよね。コイルタップ付きのギターなら、1本で多くのジャンルに対応できるため、文字通りフットワークが軽くなります。
メリット③:アンサンブルでの「馴染み」を調整できる
バンドで合奏しているとき、「自分のギターの音が太すぎて、他の楽器の邪魔をしているかも?」と感じることがあります。そんなときコイルタップを使えば、音をスッキリと細くし、アンサンブルの中に綺麗に収めるという使い方もできます。
3. 知っておきたいデメリットと注意点
「じゃあ全部のギターに付ければいいのに!」と思うかもしれませんが、良いことばかりではありません。物理的な変化がある以上、いくつかの弱点も存在します。
デメリット①:音量が少し下がる
2つで頑張っていたマイクを1つにするわけですから、出力(パワー)が落ち、音量が少し小さくなります。演奏中に切り替えるときは、足元のエフェクターやギターのボリューム操作で音量を補う工夫が必要になる場合があります。
デメリット②:本物のシングルコイルとは少し音が違う
「擬似的」なシングルコイル化であるため、ヴィンテージのストラトキャスターのような「純粋なシングルコイルの音」とは、厳密には響きが異なります。少し大人しかったり、逆に独特の粘りがあったりしますが、これを「新しい音」として楽しむのがギタリストの醍醐味でもあります。
デメリット③:ノイズが増える場合がある
ハムバッカーは「ノイズを打ち消し合う(ハム・バッキング)」構造をしていますが、片方を切るとその効果がなくなります。歪みを強くかけているときにコイルタップすると、「ジー」というノイズが目立つことがあるので注意が必要です。
4. 実践!コイルタップを使いこなす練習方法

コイルタップを宝の持ち腐れにしないために、初心者の方におすすめの練習ステップを紹介します。
ステップ1:クリーンな音で「音色の変化」を耳に焼き付ける
まずはアンプの音を歪ませず、綺麗なクリーントーンで鳴らしてみてください。スイッチをオンにしたとき、低音がスッキリして高音がキラキラする感覚が掴めれば成功です。自分のギターが「どんなときに、どんな顔を見せるのか」を知ることから始めましょう。
ステップ2:ボリュームコントロールと併用する
コイルタップで音が細くなりすぎたと感じたら、ギター側のトーンやボリュームを少し調整してみてください。あるいは、アンプのセッティングをあえて「コイルタップ時」に合わせておき、ハムバッカーに戻したときに強力なソロを弾く、という逆転の発想も面白いですよ。
ステップ3:ジャンルによる使い分けを試す
- ファンク・ポップス: コイルタップしたパリッとした音で、リズムを刻んでみる。
- ハードロック・メタル: ハムバッカーで厚みのあるパワーコードを弾く。
- ブルース: 基本はハムバッカーで、繊細なニュアンスが欲しいときだけタップする。
このように、「曲の場面」を想像しながら練習することで、ただのスイッチが「表現の武器」へと変わっていきます。
まとめ|コイルタップは「ギターとの対話」を深める鍵
エレキギターのコイルタップ機能は、決して上級者だけのものではありません。むしろ、まだ自分の好みの音がはっきりと決まっていない初心者の方にこそ、様々な音に触れられるこの機能は大きな助けになります。
「自分は太い音が好きなんだな」「意外とこのキラキラした音の方が弾いていて気持ちいいかも」といった発見は、あなたのギタリストとしての成長を加速させてくれるでしょう。もし自分のギターにコイルタップが付いているなら、ぜひ怖がらずにどんどんカチカチ動かしてみてください。そこには、まだ見ぬ新しい音楽の世界が広がっているはずです。
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