King Gnu「AIZO」を彩る三味線の魅力
公開日:2026.01.13 更新日:2026.01.13和楽器・民族楽器楽曲・アーティスト紹介
2026年1月、世界中のアニメファンが待ち望んでいた『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」が遂に放送開始となりました。その幕開けを飾るオープニングテーマ、King Gnuの新曲『AIZO』が、今まさに音楽シーンに旋風を巻き起こしています。
前作『SPECIALZ』の熱狂も記憶に新しい中、新たに放たれた『AIZO』は、彼らの音楽性がさらに深化し、未知の領域へと踏み出したことを確信させる一曲です。今回は、この楽曲の最大の肝とも言える「三味線」の音色に焦点を当て、その魅力と背景にある物語を紐解いていきましょう。
目次
【最新情報】『AIZO』とはどんな楽曲か?
まずは、その圧倒的な世界観を最新の公式映像で体感してください。
タイトルの「AIZO(愛憎)」という言葉通り、この曲には逃れられない運命や、激しく交錯する感情が「音」として刻み込まれています。
伝統と革新の融合!三味線奏者に隠された「愛」のエピソード
『AIZO』を聴いていて、耳を突き刺すような鋭い弦の音に驚いた方も多いのではないでしょうか。ドラムンベースの激しいビートと、ロックのストレートなメロディが混ざり合う中で、ひときわ異彩を放っているのが「三味線」の生音です。
実はこの三味線を担当しているのは、King Gnuのドラマー・勢喜遊さんの奥様であり、世界的に活躍する津軽三味線奏者の白藤ひかりさんです。
夫婦の絆が奏でる、一切の妥協なき音
ドラムと三味線。リズムの核を担う夫と、旋律に鋭利な打撃を加える妻。お二人の共演は、単なる「家族の参加」という温かい枠組みを超え、プロの表現者同士が火花を散らすような緊張感に満ちています。
- 白藤ひかり氏:津軽三味線ユニット「輝&輝(きき)」のメンバー。伝統的な技巧をベースにしながらも、ロックやポップスとの融合にも長けた次世代のトップ奏者。
- 楽曲への影響:三味線の持つ「さわり(共鳴音)」が、常田大希さんの描くカオスな音像に完璧なピースとしてハマっています。
この背景を知ってから聴くと、力強く刻まれるドラムのキックと、それに食らいつくような三味線のフレーズが、より一層ドラマチックに聞こえてくるはずです。
スラップベースのように躍動する三味線
『AIZO』における三味線の使い方は、私たちが音楽の時間に習ったような「和楽器」のイメージを根底から覆します。驚くべきは、そのアタックの強さとリズム感です。
まるでスラップベースを弾いているかのように組み込まれた三味線が、違和感と調和のちょうど中間のところで躍動しているのを感じます。スラップベースとは、弦を親指で叩き、人差し指で弾き上げることで「バキッ!」「べしっ!」という爆発的なパーカッシブ音を出す奏法ですが、白藤さんは三味線で同様のグルーヴを表現しています。
なぜ三味線が「スラップ」に聞こえるのか?
三味線、特に津軽三味線はもともと「打楽器」としての性質が非常に強い楽器です。大きな撥(バチ)で弦を叩きつけると同時に、胴に張られた皮を叩く。この衝撃音が、現代のエレクトロニックなビートと合わさることで、ベースラインのような重厚さと鋭さを持つ「新しい音」へと進化を遂げたのです。
| 比較ポイント | 一般的な三味線のイメージ | 『AIZO』の三味線 |
|---|---|---|
| 役割 | 情緒的な旋律、BGM | 攻撃的なリズム、メインリフ |
| 音質 | 繊細、優雅 | 歪んだギターに近い破壊力 |
| 奏法 | 伝統的な型を重視 | スラップのように「叩き弾く」 |
『死滅回游』の世界観を表現する「音の呪い」
アニメ『呪術廻戦』「死滅回游」編は、術師たちが互いに命を奪い合う、文字通り地獄のようなデスゲームが描かれます。この救いようのない、しかしどこか日本的な美しさも内包するカオスな物語を表現するのに、三味線は最も適した楽器でした。
三味線の音には、他の西洋楽器にはない「不協和音の美学」があります。弦が震える際に発生する雑音のような響き(さわり)は、まるで登場人物たちの怨念や葛藤が形になったかのようです。King Gnuはこの「音の毒」を巧みに利用し、聴き手の脳裏に『呪術廻戦』のダークな映像を焼き付けていくのです。
「さわり」とは何か
三味線の音を聴いて「なんだかゾワゾワする」と感じるのは、三味線特有の「さわり」によるもの。あえて音を濁らせることで、音に深みと独特の緊張感を持たせる日本独自の知恵なのですが、『AIZO』ではこの効果が最大限に発揮されています。
まとめ|三味線が教えてくれる「自由な音楽」の形
King Gnuの『AIZO』は、三味線という伝統楽器が、現代の最先端ロックにおいても「最強のメイン楽器」になり得ることを証明してくれました。伝統を守ることは大切ですが、常田大希さんや白藤ひかりさんが示したのは、伝統を「武器」として使いこなし、新しい興奮を生み出すという姿勢です。
もしあなたが『AIZO』を聴いて、あのバチバチとした三味線の音に心を奪われたのなら、それは伝統文化への入り口に立っている証拠です。「難しそう」「敷居が高そう」というイメージを捨てて、この激しくてクールな音の世界を、もっと身近に感じてみませんか?
伝統は、私たちが楽しむことで新しく生まれ変わります。King Gnuが提示した「伝統の逆襲」を、あなた自身の指先で、あるいは耳で、これからも存分に堪能してください。
あなたも「AIZO」のような痺れる音を奏でてみませんか?
King Gnuの楽曲で聴いた、あの攻撃的でクールな三味線サウンド。「自分でもあんな風に弾いてみたい!」と思った方は、ぜひクラブナージ音楽教室へお越しください。あなたの「やりたい」を形にします。初心者の方も大歓迎です!


