ドラムスティックの『チップ形状』で音が変わる!
公開日:2026.01.18 更新日:2026.01.06バンド楽器上達のコツ
楽器屋さんに行くと、壁一面にズラリと並んだドラムスティック。
「ヒッコリー? オーク? 5A? 5B?」
初心者の方からすれば、「どれもただの木の棒じゃん!」と言いたくなる光景かもしれません。
しかし、その一本一本をよーく見てください。
先端(チップ)の形が、微妙に違うことに気づきませんか?
実はドラムの世界では、「スティックの先端が変われば、楽器が変わるのと同じ」と言われるほど、この小さな「チップ」が音色に巨大な影響を与えます。
特にシンバルを叩いた時の音色の差は歴然です。
「自分のシンバルの音が、なんだかキンキンしてうるさい…」
「もっとプロみたいな、繊細で綺麗な音を出したい!」
そんな悩みをお持ちなら、もしかすると今使っているその「棒」を変えるだけで、魔法のように解決するかもしれません。
今回は、ドラマー以外にはあまり知られていない、マニアックな「チップの科学」へご招待します。
目次
1. 音色は「接触面積」で決まる!3つの基本形状
なぜ、先端の形で音が変わるのでしょうか?
物理的な答えはシンプルです。それは、スティックがシンバルや打面に当たる瞬間の「接触面積」が違うからです。
- 接触面積が小さい(点): 「カツッ!」「チン!」という、高音成分(倍音)が多く、輪郭のはっきりした音。
- 接触面積が大きい(面): 「ドーン!」「ジャーン!」という、低音成分を含んだ、太くてパワフルな音。
これを踏まえて、代表的な3つの形を見てみましょう。
① 丸型(ラウンドチップ)

その名の通り、先端がボールのように真ん丸な形です。
【特徴】 どの角度で叩いても、打面に当たる面積が「点」で一定です。
【音色】 常に粒立ちが良く、「コツコツ」「チンチン」というクリアな音が出ます。音色が安定するので、初心者の方にもコントロールしやすい優等生です。
② 涙型(ティアドロップ)

涙のしずくのような、楕円形をしています。最も一般的な形です。
【特徴】 角度によって音が変わる「カメレオン」です。
【音色】 先端で突けば「点」の鋭い音、少し寝かせて腹で叩けば「面」の太い音が出ます。
テクニック次第で多彩な音色が出せるため、ジャズからポップスまで幅広く愛されています。
③ 俵型(バレル・樽型)

ビヤ樽のような、四角っぽくて先端が平らな形です。
【特徴】 接触面積が広いです。
【音色】 シンバルの振動を最大限に引き出すため、「バシャーン!」「ゴーン!」という音量と音圧が出ます。ロックやメタルなど、大音量のバンドの中で埋もれたくない時に最強の武器になります。
2. 「木」か「ナイロン」か?素材が生む倍音の違い
形状だけでなく、チップの「素材」にも注目してみましょう。
大半はスティック本体と同じ「木(ウッドチップ)」ですが、先端だけ白いプラスチックのような素材がついた「ナイロンチップ」も存在します。
ウッドチップ:温かみのある「個体差」
自然な木の響きで、シンバルに馴染む柔らかい音がします。
ただし、木なので使っているうちに欠けたり削れたりして、音が変わってしまう(寿命が来る)のが難点です。
ナイロンチップ:煌びやかな「均一性」
プラスチック製なので硬く、シンバルを叩くと「カーン!」「キーン!」という、非常に煌びやかで透明感のある高音が出ます。
耐久性が高く、何度叩いても音が均一なのがメリット。
「シンバルの音がヌケなくて困っている」という方は、一度ナイロンチップを試してみると、世界が変わるかもしれません。
3. 結局、どれを選べばいいの?ジャンル別のおすすめ
「理論は分かったけど、種類が多すぎて選べない!」という方へ。
あくまで目安ですが、やりたいジャンルに合わせて選ぶのが失敗しないコツです。
★ ジャズやアコースティック系がやりたい
➡ 「小さめの丸型」や「細めの涙型」がおすすめ。
シンバルレガート(チンチキ…というリズム)の粒立ちが綺麗に聞こえ、うるさくなりすぎません。
★ ロックやポップスでカッコよく叩きたい
➡ 「大きめの涙型」や「俵型」がおすすめ。
スネアを叩いた時のアタック感も強く、バンドサウンドを底から支えるパワーが出せます。
4. 先生と一緒に探す「運命の1ペア」

スティック選びは、音色だけでなく「握りやすさ」も重要です。
「ネットの口コミで星5つだったから」といって買ったスティックが、あなたの手に合うとは限りません。
- 手のひらの大きさ
- 指の長さ
- 握力
- 叩く時のフォーム(振り方)
これらは一人ひとり違います。
太すぎるスティックは無駄な力み(りきみ)を生み、細すぎるスティックは手からすっぽ抜けやすくなります。
クラブナージ音楽教室のレッスンでは、最初にスティックの持ち方(グリップ)から丁寧に指導します。
その際、講師があなたの手のサイズや叩き方を見て、
「君の手なら、もう少し細めで、チップは丸型の方がコントロールしやすいよ」
「ロックが好きなら、少し重心が前にあるこのモデルを試してみよう」
といった具合に、プロの視点で「あなたに最適な1ペア」を提案することができます。
自分にピッタリの魔法の杖を見つけた瞬間、ドラムの上達速度は一気に加速します。
まとめ:道具を知れば、ドラムはもっと楽しくなる
たかが数センチの先端の形で、音楽の表情はガラリと変わります。
その日の気分で服を選ぶように、曲に合わせてスティックを持ち替える。
そんな「道具へのこだわり」を持てるようになると、ドラムという楽器がますます愛おしくなるはずです。
まずは教室で、いろいろなスティックを触って、叩いて、その「音の違い」を体感してみてください。
私たちと一緒に、最高の相棒を探しに行きましょう!
あなたにピッタリのスティック、診断します。
「何を買えばいいか分からない…」そんな初心者の方こそ大歓迎。
クラブナージ音楽教室では、楽器選びから奏法まで、マンツーマンでトータルサポートします。


