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ベース演奏がレベルアップするミュートの技術

公開日:2026.02.08 更新日:2026.01.06バンド楽器上達のコツ

ベース演奏がレベルアップするミュートの技術

「楽譜通りに指は動いているはずなのに、録音して聴いてみるとなんだか音が汚い…」
「バンド練習で、他のメンバーから『なんか音がモワッとしてるね』と言われてしまった…」

ベースを始めてしばらく経つと、多くの人がこのような壁にぶつかります。
リズムも合っている。音程も間違っていない。それなのに、プロの演奏のような「芯のあるクリアな音」にならない。
その原因は、あなたの機材が悪いからでも、才能がないからでもありません。

原因はたった一つ。「弾いていない弦の音が鳴りっぱなしになっているから」です。

ベースという楽器において、最も重要で、かつ最も奥が深い技術。
それは「どうやって音を出すか」ではなく、「どうやって音を消すか(ミュート)」にあります。
今回は、地味だけれど演奏のクオリティを劇的に変える「ミュートの魔法」について、少しマニアックな視点から解説していきます。

 

1. なぜ勝手に鳴るの?厄介な「共振」現象

 

まず、敵を知ることから始めましょう。なぜ、弾いてもいない弦が勝手に鳴り出すのでしょうか?
これには「共振(共鳴)」という物理現象が関係しています。

ベースの弦は、太くて重く、非常に振動しやすい性質を持っています。例えば、あなたが「3弦(A弦)の5フレット=レの音」を弾いたとします。
すると、その振動がボディやネックを伝わり、弾いていないはずの「2弦(D弦)」や「4弦(E弦)」までプルプルと震えさせてしまうのです。

これを放置するとどうなるでしょうか?

  • メインの音の裏で、常に「ブーン」「ヴォーン」という低いノイズが鳴り響く。
  • 音が濁り、リズムの輪郭がボヤけて聞こえる。
  • バンド全体のサウンドが「お風呂場」のようにモコモコする。

初心者の演奏が「汚く」聞こえる原因の9割は、この「意図しない共振ノイズ」です。
プロのベーシストは、音を出している瞬間以外、すべての弦を「手動で」押さえ込み、この共振を徹底的に殺しているのです。

 

2. 右手の職人芸「フローティング・サム」とは?

では、具体的にどうやって不要な弦を消音(ミュート)すればいいのでしょうか。
まずは、弦を弾く方、つまり「右手(ピッキングする手)」の技術から見ていきましょう。

初心者の多くは、右手の親指をピックアップの上や、4弦(一番太い弦)の上に固定して弾いています(アンカー奏法)。
これ自体は間違いではありませんが、高い音(1弦や2弦)を弾くときに、低い音(3弦や4弦)が無防備になってしまい、共振し放題になってしまいます。

親指を移動させる「フローティング・サム」

そこでプロが使うのが「フローティング・サム(Floating Thumb)」というテクニックです。
これは、弾く弦が変わるにつれて、親指の位置も一緒に移動させる方法です。

【フローティング・サムの動き】

  • 4弦を弾く時: 親指はピックアップの上。
  • 3弦を弾く時: 親指は4弦の上に移動し、4弦を触って止める。
  • 2弦を弾く時: 親指は3弦の上に移動し、その側面で4弦にも触れて、両方を止める。

つまり、親指が常に「低音弦の門番」として機能し、弾いていない太い弦が暴れださないように押さえ込んでいるのです。
この動きを無意識レベルでできるようになると、ベースの音は驚くほどタイトになります。

 

3. 左手も総動員!「指の腹」を使った隙のないガード

ミュートは右手だけでは完結しません。弦を押さえる「左手」も重要な役割を担っています。
特に、高い音の弦(1弦や2弦)よりも、自分の方にある弦のミュートには左手が有効です。

人差し指は「ただ押さえるだけ」じゃない

例えば、人差し指で3弦の5フレットを押さえるとします。
この時、上手い人の人差し指は、ただフレットを押さえているだけではありません。

  1. 指の先端: 軽く4弦に触れて、4弦が鳴らないようにしている。
  2. 指の腹(根本): 軽く2弦と1弦に触れて、高音弦が鳴らないようにしている。

分かりますでしょうか?
たった一つの音を出すために、指の上下左右を使って、「その音以外の弦すべて」に軽く触れているのです。
これを

「余弦(よげん)ミュート」と呼びます。

プロの左手を見ると、指がベタッと寝ていることが多いですが、あれは怠けているのではありません。
指の面積を最大限に使って、不要なノイズを必死に止めている、まさに「職人芸」なのです。

 

4. 独学では気づけない「ノイズ」の正体

ここまで読んで、「うわ、やること多すぎ…」と思われたかもしれません。
実際、ミュートはベース演奏の中で最も習得が難しい技術の一つです。

そして一番怖いのは、「自分ではノイズに気づきにくい」ということです。

人間には「カクテルパーティー効果」といって、自分が聞きたい音(自分が弾こうとしている音)だけを脳内で選んで聞く能力があります。
そのため、自分で弾いている時は「良い音」に聞こえていても、録音して客観的に聞くと「雑音だらけ」という現象が起きるのです。

先生は「ノイズ探知機」

この壁を乗り越える最短のルートは、プロの先生に見てもらうことです。
クラブナージ音楽教室のレッスンでは、講師があなたの隣で、あなたの音を冷静に聴いています。

「今、2弦を弾いた瞬間に4弦が共振してるよ」
「小指が浮きすぎてるから、軽く弦に触れてみて」

このように、「どの指が原因で、どの弦が鳴ってしまっているか」をピンポイントで指摘してもらうことで、修正スピードは何倍にも早くなります。
独学で1年悩むよりも、1回のレッスンで「あ、音が止まった!」という感覚を掴む方が、はるかに効率的です。

 

まとめ:ミュートを制する者はグルーヴを制す

「音を出す」のは簡単です。でも、「音を止める・出さない」ことこそが、音楽にメリハリ(グルーヴ)を生みます。
不要な音が消えた瞬間、あなたのベースラインは驚くほどクリアになり、バンドメンバーからも「なんか今日、上手くなった?」と言われるはずです。

地味だけれど奥深い、ベースの「ミュート」の世界。
私たちと一緒に、プロ級のクリアなサウンドを目指してみませんか?

あなたのベース、実は「雑音」が混ざっていませんか?

「なぜか音が抜けてこない…」その原因は、無意識のノイズかもしれません。
クラブナージ音楽教室では、プロの講師があなたのフォームを診断し、クリアで太い音を出すための「ミュート術」を伝授します。

クラブナージ音楽教室のベースコースを詳しく見る

 

 

こちらの記事もぜひ!▶ベース弦の種類【フラットワウンド・ラウンドワウンド】

 

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