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ベース弦の種類【フラットワウンド・ラウンドワウンド】

公開日:2025.12.19 更新日:2025.12.14バンド楽器楽器のお手入れ音楽のマナビ

ベース弦の種類【フラットワウンド・ラウンドワウンド】

エレキベースを始めたばかりの頃、多くの人が最初にぶつかる「機材の壁」といえば何でしょうか。エフェクター?アンプの設定?もちろんそれらも奥が深いですが、もっと身近で、もっとダイレクトに音に影響を与えるものがあります。

それは「弦」です。

「弦なんて、切れたら張り替えればいい消耗品でしょ?」と思っているとしたら、それは少しもったいないかもしれません。実はベースという楽器において、弦選びは「アンプを買い替えるのと同じくらい」音色を左右する重要な要素だと言われているからです。

楽器屋さんに行くと、カラフルなパッケージの弦がずらりと並んでいて、どれを選べばいいのか途方に暮れてしまった経験はありませんか?パッケージに書かれている謎の英語…。「Round Wound」?「Flat Wound」?

今回は、ベース弦の二大巨頭である「ラウンドワウンド弦」「フラットワウンド弦」について、その違いや特徴、そしてどんな音楽に向いているのかを、専門用語をできるだけ使わずにかみ砕いてお話ししていきたいと思います。これを読み終わる頃には、きっと次の弦交換が楽しみになっているはずです。

そもそも「ワウンド」って何?

本題に入る前に、少しだけ言葉の整理をしておきましょう。よく耳にする「ワウンド(Wound)」という言葉。これは英語で「巻かれた」という意味を持っています。

ベースの太い弦をよーく見てみてください。一本の金属の棒ではなく、中心にある芯(コア)に対して、別の細い線がグルグルと巻き付けられているのが分かると思います。この構造のおかげで、弦はしなやかさを保ちつつ、あの低い重低音を響かせることができるのです。

この「巻き方」や「巻く素材の形状」の違いによって、指触りや音色が大きく変わってきます。その代表的な分類が、これから紹介するラウンドワウンドとフラットワウンドなのです。

1. 王道中の王道「ラウンドワウンド弦」

まず紹介するのは、現在世界中で最も広く使われている「ラウンドワウンド弦」です。もしあなたが新品のエレキベースを買ったとしたら、十中八九、最初に張られているのはこのタイプの弦でしょう。

特徴と手触り

その名の通り、断面が「ラウンド(丸い)」形をした線を芯に巻き付けて作られています。表面を指でなぞってみると、ザラザラとした凹凸を感じるのが最大の特徴です。

指板の上で指を滑らせると、「キュッ」「グィーン」といった摩擦音(フィンガーノイズといいます)が出やすいのも、この凹凸があるためです。最初は指先が少し痛くなるかもしれませんが、ベースを弾いている実感を得られる感触とも言えますね。

どんな音がするの?

ラウンドワウンドの音を一言で表すなら、「明るくて、ハッキリした音」です。

  • 高音域(高い音)がキラキラときれいに響く
  • 「ボーン」と弾いた後の音の伸び(サスティーン)が長い
  • アンサンブル(バンド演奏)の中でも埋もれない、輪郭のある音

弦が新しいうちは、金属的な「ギラギラ」した成分(倍音)が多く含まれており、これがロックやポップスにおいて非常に重要な「抜けの良いベース音」を作ってくれます。

向いている音楽ジャンル

基本的にオールマイティですが、特に相性が良いのはロック、ポップス、メタル、ファンクなどです。

特に、親指で弦を叩いてパーカッシブな音を出す「スラップ奏法」をするなら、ラウンドワウンド弦の持つ鋭いアタック感(音の立ち上がり)は欠かせません。「バチッ!」というかっこいい音を出したいなら、迷わずこちらを選びましょう。

2. 渋くて太い「フラットワウンド弦」

次に紹介するのは、「フラットワウンド弦」です。ラウンドワウンドが登場する1960年代以前は、こちらがベース弦の主流でした。今は「ちょっとこだわりのある人が使う弦」というイメージがあるかもしれませんが、一度使うと病みつきになる魅力を持っています。

特徴と手触り

こちらは、平たいリボン状の線を巻き付けて作られています。そのため、表面の凹凸がほとんどなく、ツルツルとした滑らかな手触りです。

初めて触ると「えっ、これがベースの弦?」と驚くかもしれません。指を滑らせても「キュッ」というノイズがほとんど出ず、スライド移動が非常にスムーズに行えます。指先の皮への負担も少ないので、長時間弾いていても指が痛くなりにくいという隠れたメリットもあります。

どんな音がするの?

フラットワウンドの音は、ラウンドワウンドとは対照的です。

  • 高音域のギラつきが少なく、丸くて温かい音(ウォームな音)
  • 音の立ち上がりが「ボンッ」と太く、短めに減衰する
  • 古き良き時代のレコードから聴こえてくるような、落ち着いた響き

サスティーン(音の伸び)はラウンドワウンドほどありませんが、その分、一音一音の「実在感」や「太さ」が際立ちます。まるでウッドベース(コントラバス)のような、空気を含んだようなふくよかな低音が特徴です。

向いている音楽ジャンル

その特性から、ジャズ、R&B、モータウン、レゲエなどで愛用されています。

特に「歌モノ」のバックで演奏する場合、フラットワウンドの落ち着いた音色は、ボーカルの邪魔をせず、楽曲のボトム(土台)をどっしりと支えるのに最適です。また、フレットレスベース(フレットの金具がないベース)には、指板を傷つけないためにフラットワウンドを張るのが一般的です。

???? ここが面白い!
最近では、「あえてロックバンドでフラットワウンドを使う」ベーシストも増えています。最新の機材でバキバキの音を出すのではなく、少しレトロでいなたい(田舎っぽいけどかっこいい)雰囲気を出したい時に、この弦が絶妙なスパイスになるのです。

結局、初心者はどっちを選べばいい?

ここまで読んで、「余計に迷ってしまった!」という方もいるかもしれませんね。

もし、あなたがまだベースを始めたばかりで、特定のジャンルにこだわりがないのであれば、まずは「ラウンドワウンド弦」を選んでおくのが無難であり、正解だと言えます。

理由はシンプルで、ラウンドワウンドの方が音作りの幅が広いからです。アンプやエフェクターの設定次第で、ギラギラした音からマイルドな音まである程度カバーできます。一方で、フラットワウンドの独特な「丸い音」を後から「ギラギラな音」に変えるのは少々難しいのです。

ですが、もしあなたが「ジャズが好きでベースを始めた」「モータウンのあの独特なベースラインに憧れている」という明確な理由があるなら、最初からフラットワウンドを張ってみるのも素敵な選択です。自分の好きな音が出る楽器というのは、それだけで練習のモチベーションを爆上げしてくれますから。

まとめ:弦交換は、一番手軽な「音の着せ替え」

たかが弦、されど弦。 同じベース本体を使っていても、弦を変えるだけで「あれ?私のベース、こんなにいい音がしたっけ?」と驚くことは珍しくありません。

ラウンドワウンドの元気なサウンドでバンドを引っ張るのもよし、フラットワウンドの渋いサウンドで雰囲気を醸し出すのもよし。弦交換のタイミングが来たら、いつもと同じものを買う前に、ちょっとだけ冒険して違う種類の弦を試してみてはいかがでしょうか?

自分だけの「好みの音」を見つける旅。それもまた、ベースという楽器を続ける上での大きな楽しみの一つなのです。

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