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「除夜の鐘」は巨大な楽器?その音色が心に響く「音楽的」な理由

公開日:2025.12.31 更新日:2025.12.25和楽器・民族楽器音楽のマナビ

「除夜の鐘」は巨大な楽器?その音色が心に響く「音楽的」な理由

師走も押し迫り、街の空気がきんと冷え込む季節になりました。あと少しで年越しですね。
日本の大晦日といえば、やはり「除夜の鐘」。紅白歌合戦を見終わった後、静寂の中に響き渡るあの「ゴーン……」という深く長い音を聞くと、「ああ、一年が終わるな」としみじみ感じる方も多いのではないでしょうか。

仏教的な行事として知られる除夜の鐘ですが、実は私たち音楽を愛する人間から見ると、あれは「とてつもなく巨大で、精巧な打楽器の演奏」そのものなのです。

なぜ、あの音を聞くと心が落ち着くのか? なぜ、108回という回数が決まっているのか?
今回は、誰もが知っているけれど意外と知らない「除夜の鐘」を、音楽的な視点から紐解いてみたいと思います。これを読めば、今年の年越しはいつもと違った「耳」で鐘の音を楽しめるようになるかもしれません。

 

「鐘」は、和製シンバルである

お寺にあるあの大きな鐘は、専門用語で「梵鐘(ぼんしょう)」と呼ばれます。
楽器の分類で言えば、体鳴楽器(たいめいがっき)というグループに属します。これはシンバルやトライアングル、木琴などと同じ、「叩くことでその物体全体が振動して音が出る楽器」の仲間です。

しかし、ただの大きな金属の塊ではありません。実は梵鐘には、素晴らしい楽器だけが持つある秘密が隠されています。それが「倍音(ばいおん)」「ゆらぎ」です。

一度の打撃で鳴る「和音」の不思議

ピアノで「ド」の鍵盤を弾くと、実は「ド」以外の高い音も微かに鳴っていることをご存じでしょうか? これが「倍音」です。良い楽器ほど豊かな倍音を含んでおり、それが音の深みや艶になります。

除夜の鐘(梵鐘)は、この倍音がものすごく複雑に含まれています。
「ゴーン」という低い基本の音(基音)の上に、何層もの高い音が重なり合って響いているのです。耳を澄ますと、「ワーン」という唸るような音や、金属的な「キーン」という高い音が混ざっているのが聞こえるはずです。

つまり、鐘を撞く(つく)という行為は、単音を出しているのではなく、「一度のアタックで壮大な和音を鳴らしている」のと同じなのです。あの一打に込められた情報量がとてつもなく多いからこそ、私たちはその音に圧倒され、引き込まれてしまうのです。

 

「1/fゆらぎ」がもたらす癒やし効果

もう一つ、鐘の音が心地よい理由に科学的なキーワードがあります。それが「1/f(エフぶんのいち)ゆらぎ」です。

これは、規則正しさの中に、ほんの少しの不規則なズレが混ざっている状態のことを指します。小川のせせらぎ、木漏れ日、そして人間の心臓の鼓動もこのリズムを持っていると言われています。

梵鐘の音は、叩いた直後から音が減衰して消えていくまでの間に、微妙に音程が揺れ動きます(これを「うなり」と言います)。
機械で作った正確無比な電子音にはない、この「不完全な揺らぎ」こそが、人間の脳波にα波を誘発し、深いリラックス効果をもたらすのです。

これは、バイオリンのビブラートや、フルートの息遣いにも通じる話です。音楽において人を感動させるのは、楽譜通りの正確さよりも、その人特有の「ゆらぎ」や「人間味」だったりしますよね。除夜の鐘は、数百年も前からその「癒やしの周波数」を私たちに届けてくれていたのです。

 

「間(ま)」を味わう、究極の演奏会

除夜の鐘は、煩悩の数と言われる「108回」撞かれます。
この108回、ただ急いで叩くわけではありません。前の一打の余韻が完全に消え入るか消え入らないかの絶妙なタイミングで、次の一打が放たれます。

音楽をやっている方なら、これがどれほど高度なことか分かるはずです。
そう、これは「休符(レスト)」の演奏なのです。

音楽において、音を出していない時間は「休み」ではありません。「無音という音楽」が鳴っている時間です。この「間(ま)」の取り方一つで、演奏の良し悪しが決まると言っても過言ではありません。

除夜の鐘のあの長いインターバル
冬の冷たい夜気の中で、音が吸い込まれるように消えていく静寂。そして、その静寂が極まった瞬間に響く次の一打。
この「音」と「無音」のコントラスト(強弱)を感じることは、まさにクラシック音楽の緩徐楽章や、バラードのエンディングを聴く体験と重なります。

108回の煩悩を払うといいますが、音楽的に言えば、あの一打ごとの長いサスティーン(音の伸び)と静寂に耳を傾けることで、強制的に「集中(マインドフルネス)」の状態になり、心のノイズが浄化されていくのかもしれません。

 

新年に向けて「心のチューニング」をしよう

楽器を演奏する前には、必ずチューニング(調律)を行います。
どんなに良い楽器も、チューニングが狂っていては良い音楽を奏でることはできません。

そう考えると、除夜の鐘を聞くという行為は、来たるべき新しい一年に向けて、私たち自身の「心のチューニング」をしていると言えるのではないでしょうか。

108回の深い響きに身を委ね、乱れた心の弦を張り直し、正しいピッチに戻す。
そうして整った心で新年を迎えるからこそ、清々しい気持ちになれるのです。

今年の年越しは、ぜひテレビの音量を少し上げて、あるいは近くのお寺に足を運んで、鐘の音の「倍音」や「余韻」、そして音のない「間」に耳を澄ませてみてください。
「あ、今すごく低い音が聞こえた」「今の音は長く響いたな」
そんなふうに音楽的な耳で聞く除夜の鐘は、きっと例年以上にあなたの心に深く染み渡ることでしょう。

 


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