初音ミクのモデルになったシンセ
公開日:2026.01.02 更新日:2025.12.14バンド楽器
日本が世界に誇るポップカルチャー、その象徴とも言える存在が「初音ミク」です。
鮮やかなブルーグリーンのツインテール、近未来的な衣装、そしてあの唯一無二の歌声。音楽に詳しくない方でも、その姿を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
今やバーチャル・シンガーとして確固たる地位を築いている彼女ですが、実はそのキャラクターデザインには、ある「実在する楽器」が深く関わっていることをご存じでしょうか。
ただなんとなく近未来風に描かれたわけではなく、そこには開発者たちの楽器への深いリスペクトと、遊び心が隠されているのです。
今回は、初音ミク、そしてその他のボーカロイドキャラクターたちのデザインの元ネタとなった、伝説のシンセサイザーについて、少しマニアックですが、噛み砕いてお話ししていきたいと思います。
これを知ると、次に初音ミクのイラストを見たとき、今までとはちょっと違った視点で楽しめるようになるかもしれませんよ。
目次
初音ミクの正体?モデルはヤマハの名機「DX7」

結論から言ってしまうと、初音ミクの衣装や色彩設計のモデルになったのは、ヤマハが1983年に発売したシンセサイザー、「DX7(ディーエックスセブン)」です。
「DX7? なにそれ?」と思われる方も多いでしょう。
ですが、この楽器、音楽の歴史を変えたと言っても過言ではない、とんでもない発明品なんです。1980年代のポップスや歌謡曲を聴くと、キラキラした透明感のある音や、独特の硬質なベース音がよく使われていますが、あれの多くはこのDX7の音だと思って間違いありません。
それまでのシンセサイザーは「アナログ」といって、ツマミがたくさんついていて、電気信号を物理的にいじって音を作る巨大な機械が主流でした。暖かみはあるけれど、不安定で、扱いが難しかったのです。
そこに登場したDX7は、当時の最先端技術である「デジタル」のFM音源という方式を採用していました。
見た目も未来的でした。ツマミがほとんどなく、つるんとしたフラットなパネルにボタンが並んでいるだけ。「なんだこれは!」と当時のミュージシャンたちは衝撃を受けたそうです。
この「デジタルで未来的、かつ歴史を変えた存在」という点が、新しい時代の歌姫である初音ミクのコンセプトにぴったりだったのかもしれませんね。
どこが似ているの?デザインの共通点を探す
では、具体的に初音ミクのどこにDX7の要素が隠されているのでしょうか。
画像を検索しながら見比べてみると、「ああ、なるほど!」と膝を打つポイントがいくつもあります。
1. 特徴的な「DXグリーン」
まず一番わかりやすいのが、あの色です。
初音ミクの髪の毛やネクタイに使われている、少し青みがかった緑色。あれは実は、DX7の本体パネルに印字されていた文字やロゴの色、通称「DXグリーン」がモチーフになっています。
DX7は黒っぽいダークブラウンのボディなのですが、そこに鮮やかなグリーンの文字で機能が書かれていました。そのコントラストが、そのままミクの「黒×グリーン」の配色に受け継がれているわけです。
2. スカートの操作パネル
次に、初音ミクのスカートを見てみてください。
黒いプリーツスカートの横に、なにやら幾何学的な模様やボタンのようなものが並んでいませんか?
実はあれ、DX7の操作ボタン(メンブレンスイッチ)そのものなんです。DX7の特徴であった「出っ張りのないフラットなスイッチ」が、そのまま衣装のデザインとして落とし込まれています。芸が細かいですよね。
3. 袖の上の謎の図形
そして、もう少しマニアックな部分ですが、彼女が腕につけているアームカバーにも注目です。
そこに描かれている赤いラインや四角い図形。あれは単なる模様ではなく、DX7の「アルゴリズム」と呼ばれる回路の仕組みを図式化したものを模しています。
FM音源というのは、音の波同士を複雑にぶつけ合って音を作るのですが、その「ぶつけ方のパターン」をあのような図で表すのです。
「音を作る仕組み」そのものを身にまとっているなんて、なんだかロマンチックだと思いませんか?
初音ミクにもルーツがある
こうして見てみると、最先端のAIや合成音声技術の結晶のように見えるボーカロイドたちも、実は過去の偉大な楽器たちの魂を受け継いでいることがわかります。
新しいものを作る時、ゼロからまったく新しい形を生み出すのではなく、先人たちが築いた歴史や名機への敬意(リスペクト)を込めてデザインする。
そうすることで、新しさの中にもどこか懐かしさや、説得力が生まれるのかもしれません。
「初音ミク」という存在を通して、1983年に生まれた「DX7」というシンセサイザーの名前が、今の若い世代にも知られている。
楽器メーカーにとっても、これはとても嬉しいことなんじゃないかな、と勝手に想像してしまいます。
音楽の世界は、こうやって時代を超えて繋がっていくんですね。
もし、楽器店やリサイクルショップなどで、黒くて平べったくて、緑色の文字が書かれた古いキーボードを見かけたら、ぜひ思い出してみてください。
「あ、これが初音ミクのお父さん(?)か!」と。
そう思うと、ただの古いシンセも、急に愛おしく見えてくるはずです。
「音」を作る楽しさ、あなたも体験してみませんか?
シンセサイザーの話をしていたら、なんだか自分で音を出してみたくなりませんか?
DX7のような本格的なシンセサイザーを操るのは少し難しそうに見えるかもしれませんが、鍵盤に触れて音を出す楽しさは、いつの時代も変わりません。
自分の指先からメロディが生まれる瞬間の感動は、聴くだけでは味わえない特別な体験です。
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