バンドでベースの音が聴こえない原因と改善策
公開日:2025.11.29 更新日:2025.11.18バンド楽器上達のコツ
ライブハウスやスタジオで「なんかベースが埋もれてる」「自分では弾いてるのに、お客さんから“ベース聞こえなかった”って言われた」――そんな経験、ありませんか?
ベーシストにとって「音が聴こえない問題」は永遠の悩み。しかも厄介なことに、その原因は単に「音量が小さいから」ではないのです。
この記事では、バンドアンサンブルにおいてなぜベースの音が埋もれるのか、そしてどうすれば「しっかり聴こえるベース」になれるのかを、かみ砕いて解説していきます!
目次
ベースが聴こえないのは「音量」だけの問題じゃない

意外に思うかもしれませんが、「ベースの音が聴こえない=音量が小さい」とは限りません。むしろ音量を上げても状況が改善しない、むしろ全体がぐちゃぐちゃになるケースも少なくありません。 ここで大事なのは、「聴こえる音」と「ただ鳴っている音」は違うということです。
人間の耳は中音域(500Hz~4kHz付近)をもっとも認識しやすく、高音や低音は埋もれやすい傾向があります。ベースの主戦場は40Hz~400Hz程度の低域ですから、自然と他の楽器(ギター、キーボード、ドラムのキックなど)と周波数が重なることで存在感が失われやすいのです。
原因① 周波数のぶつかり(特にギター・キックとの被り)
ベースの音域は、ギターの低音やドラムのキック(バスドラム)と重なりやすく、結果としてモコモコした音の塊になってしまうことがあります。特にギター側が低音を出しすぎている場合、ベースの立ち位置がなくなります。
✅改善策:
- ギターのLow(低域)を絞り、ミドル(中域)寄りに調整する
- ベース側は中域(500Hz〜1.5kHz)を少し持ち上げ、「音の芯」を作る
- ドラムのキックとベースのタイミングと音量のバランスを確認する
「ゴリゴリ鳴らすギター VS 聴こえないベース」ではなく、「ロックを支える最強コンビ」として役割分担を明確にしましょう。
原因② アタック音が弱い(芯が無く輪郭がぼやける)
「ベースの音は鳴ってるけど、どこを弾いてるかわからない」という現象は、アタック(鳴り始めの瞬間)が弱いことが原因です。特に指弾きで力が弱すぎたり、コンプがかかりすぎているケースでは「ぼわ〜っとした低音」になりがちです。
✅改善策:
- 指弾きの場合、弦にしっかり引っ掛けて弾く(引っ張るのではなく弾く意識)
- ピック弾きも検討し、アタックを強調する
- ミドル帯域を上げ、音の輪郭を作る
- 適切なコンプレッサー設定で音の芯を出す

指弾き(左)とピック弾き(右)
“ベースの音が太い=低音だけが強い”ではありません。「芯のある中域」があってこそ、低音が活きるのです。
原因③ グルーヴがバンドに噛み合っていない
音量やEQを整えても「なぜか埋もれてる」と感じる場合、ベースのリズムがバンドにフィットしていないことがあります。 特に、ドラムのキックとベースのタイミングが微妙にズレていると「聴きたくても聴こえない」状態になります。 ベースは“バンドを揺らすタイミング”で存在感を出す楽器だからです。
✅改善策:
- ドラム(特にキック)との合わせ込みを徹底する
- 「音」より「リズムの重心」を意識する
- 単なるルート弾きでもノリがあれば存在感は増す
「俺は弾いている」ではなく、「俺がバンドの重心を作っている」という意識があれば、存在感は自然と増します。
原因④ 音量バランスの認識違い(特にベーシスト本人の勘違い)
よくあるケースが「スタジオ内だとベースの音が聴こえにくいのに、客席では爆音」というパターンです。これはベースアンプの指向性(前方向に音が出る性質)が関係しています。 ベーシスト本人はアンプの真横に立っていることが多く、「自分だけ聴こえない」という状態に陥りがちです。
✅改善策:
- アンプの向きを少し斜め前方にする
- 足元モニターやイヤモニを使用する
- 他人の耳で音を確認する(メンバーや録音でチェック)
「聴こえないから上げる」を繰り返すと、結果として爆音でバンド全体がぐちゃぐちゃになります。冷静な判断が大切です。
最終的に「聴こえるベース」になるためのポイントまとめ
- 音量ではなく「中域の芯」が大事
- ギターやキックとの帯域の分担を意識する
- アタック感=聴こえるベースのカギ
- グルーヴが噛み合うと自然に存在感が出る
- 自分の立ち位置による「聴こえの錯覚」に注意
おわりに:ベースが聴こえるとバンドは“踊り出す”
「ベースが聴こえない」と悩む人の多くは、「鳴らせているか」だけを考えがちです。しかし本当に大事なのは、「バンド全体のノリを作れているか」「空間の中でどこに立っているか」に意識を向けることです。
音量をむやみに上げるのではなく、「バンドを揺らす音」を意識した瞬間、ベースはバンドの中心に躍り出ます。 そして、その瞬間こそが、ベーシストが一段成長するターニングポイントです。
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