ライブバンドとしてのKing Gnu
公開日:2025.11.28 更新日:2025.12.14バンド楽器楽曲・アーティスト紹介
ライブツアーに向けて、King Gnuを語りなおそう
King Gnuといえば、緻密に作り込まれたサウンドプロダクション、異様なまでの完成度を誇るスタジオ音源、そしてポップとアングラの間を絶妙に渡り歩くカオスな美学。
「録音芸術としての凄さ」は語り尽くされてきましたが——実は、彼らの真の姿を知るには“ライブ”という現場を避けるわけにはいきません。
むしろ、生演奏という極限状態でこそ、King Gnuは暴れ、叫び、笑い、そして「無敵のライブバンド」としての本性をむき出しにします。
特に、YouTubeで公開されているライブ映像は、彼らがただの技巧派バンドではなく、巨大な会場を掌握し、何万人の心拍を同じリズムで震わせる「怪物」であることを証明しています。
スタジアムでも、アリーナでも、はたまたフェスのメインステージでも——King Gnuの音が鳴り始めた瞬間、その空間は支配されるのです。
目次
飛行艇――巨大空間を前提に作られたライブ映え王者
まず語らざるを得ないのが「飛行艇」。
もともとスタジオ版でも壮大なスケール感を持つ楽曲ですが、ライブになるとその狂気染みたエネルギーは明確に増幅。
特にドラム(勢喜遊)の「え、そこまでやる!?」と言いたくなるほどの手数ラッシュは、スタジアム全体を突風のように吹き抜けます。
さらに「大雨降らせ 大地震わせ」の大合唱パートが原曲よりも長く引き伸ばされ、数万人が拳を突き上げる瞬間は鳥肌もの。
まさに“緻密な構築音楽”と“爆発的ライブ感”が高次元で融合するKing Gnuの象徴的瞬間です。
三文小説――「これ本当にライブなの?」と疑わせる精密演奏
飛行艇とは対極にあるのが「三文小説」です。
この曲は、原曲の美しさを削ることなく、むしろライブならではの張り詰めた空気感が加わることで“より生々しく、より心に触れる”演奏へと昇華されています。
筆者と一緒に音だけ聴いていた友人が「え、これライブ?CDじゃなくて?」と素で混乱していたほどの完成度。
構築美を一切崩さず、それでいて「今この瞬間」しか存在しない感情を注ぎ込む姿勢に、King Gnuの恐ろしいまでのライブ力を思い知らされます。
SPECIALZ――ライブで“獣化”するバンドサウンド
一方で、アニメ『呪術廻戦』主題歌として知られる「SPECIALZ」は、音源版とライブ版で大きくキャラクターが異なる楽曲です。
冒頭からインダストリアルなドラムブレイクが空間を切り裂き、「U R MY SPECIAL」のフレーズが執拗にリフレインされるオープニング演出は、闇夜のステージをまるごと領域展開させるかのよう。 さらに最後のサビ前のスラップベースの疾走感、ギターのアグレッシブな鳴り、ドラムの暴れっぷり。
ここには「緻密なバンド」ではなく「咆哮する獣としてのKing Gnu」がいます。 ライブアレンジをもってして「これぞロックバンドだ」と見せつける強さ。痛快です。
ライブで真価を発揮するその他の楽曲たち
- 「night pool」――メンバーが「ライブで最も化ける曲」と語る名物曲。ギターの存在感が増し、スタジアム中が陶酔する。
- 「破裂」→「prayer X」――ギターと歌のみの極限まで削ぎ落とした演出で、祈りの楽曲へと流れる神構成。
- 「It’s a small world」――生ドラムが暴れ回り、ビートの躍動感が極限まで高まる。
- 「阿修羅:)」――タッピングを交えた荒れ狂うギターソロでオーディエンスの度肝を抜く。
こうして並べてみると、King Gnuは各楽曲がライブで「別の人生を歩んでいる」ような進化を遂げるバンドであることがわかります。
2026年「CEN+RAL」ツアー――センターステージで起こるであろう“新たな革命”
そして2026年、全国ドームツアー「CEN+RAL(セントラル)」の開催が決定。なんとセンターステージ形式。 全方向から照射される照明、360度の観客との対峙、音と視覚が融合する完全なるライブ空間——この発表を見た瞬間、筆者は叫びました。「絶対に行く」と。
飛行艇が空を切り裂き、三文小説の音が空調のように沁み込み、SPECIALZが暴れ狂い、night poolで全員が恍惚の中に沈む—— そんな“新しいKing Gnu”が2026年、確実に生まれます。
おわりに:録音された芸術、そして“生きるバンド”としてのKing Gnu
King Gnuは「作品を作るバンド」であり、「ライブで作品を破壊し、再構築するバンド」でもあります。 録音芸術として完成された音楽を、ライブで狂気のエネルギーとともに再解釈する、それが彼らの強さであり、唯一無二の魅力です。
2026年、CEN+RALのステージでまた新たな進化を見られると信じて、今はこの狂おしい期待感を胸に刻んでおきます。
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