R&Bとは|音楽ジャンル解説シリーズ
公開日:2025.11.22 更新日:2025.11.18バンド楽器音楽のマナビ
「R&Bってなんだかおしゃれでムーディーな音楽」──たしかにそれは正しいのですが、 実はこのジャンル、歴史をたどると「黒人音楽の進化の軌跡」そのものといえる非常に奥深い存在です。 本記事では、R&Bがどのように誕生し、どんな音の特徴を持ち、どのように時代とともに形を変えていったのかを、 代表曲を交えながら、初心者にもわかりやすく解説していきます。
目次
1. R&Bという名前の由来と歴史
R&Bとは「Rhythm and Blues(リズム・アンド・ブルース)」の略称です。この言葉は1940年代後半、 アメリカの音楽雑誌「Billboard」が、当時「レース・ミュージック(黒人向け音楽)」と呼ばれていたジャンルに対して 使い始めた新しい名称でした。より広い層に受け入れられるようにするための言い換えだったのです。
初期のR&Bはブルースを基盤にしながら、リズムをより強調したダンサブルなスタイルでした。 1940〜1950年代にはレイ・チャールズ(Ray Charles)やルース・ブラウン(Ruth Brown)らが活躍し、 後のソウルミュージックやロックンロールの源流となりました。
1960年代以降、R&Bはソウル、ファンクなどと相互に影響しながら進化し、1990年代には 現代的なエレクトロサウンドやヒップホップのリズムを取り入れた「コンテンポラリーR&B」が主流になります。 Whitney HoustonやMariah Carey、Boyz II Menなどが世界的な人気を獲得し、 「甘くて心地よく、かつグルーヴィーなボーカル音楽」としてR&Bは再定義されました。
2. R&Bのサウンドと構成の特徴
R&Bのサウンドは時代によって変化しますが、以下の要素が共通して存在します。
- しなやかなリズム:ブルースやゴスペルに由来するスウィング感のあるビート。
- グルーヴを重視:ドラムとベースのリズムが身体を自然と揺らす。
- 感情豊かなボーカル:フェイク(メロディを装飾する歌い回し)やコール&レスポンスが多用される。
- 恋愛をテーマにした歌詞:特に現代R&Bでは「愛」「別れ」「自分らしさ」などが中心。
- 洗練されたアレンジ:ホーンやストリングス、あるいはシンセを多用した都会的サウンド。
90年代以降のR&Bでは、ヒップホップのビートを取り入れた「オフビート」な構成も増え、 よりクールでモダンな印象を持つようになりました。
3. 代表的なR&B楽曲3選
ここでは、時代ごとの流れが見えるような代表曲を3つご紹介します。
- Ray Charles – “What’d I Say”(1959)
初期R&Bの名曲であり、ゴスペルの高揚感とリズミカルな演奏が融合した革新的な楽曲。
- Marvin Gaye – “Sexual Healing”(1982)
ソウルからモダンR&Bへの橋渡しをした1曲。しっとりとしたビートと官能的な歌唱が特徴。
- Boyz II Men – “End of the Road”(1992)
ハーモニー重視の90年代R&Bを象徴する名曲。世界的ヒットとなり、R&Bをポップシーンの中心へと押し上げた。
他にも、Whitney Houston「I Will Always Love You」、Usher「Yeah!」など、R&Bの進化を示す楽曲は数多く存在します。
4. R&Bと近接ジャンル
R&Bは多くのジャンルと密接に関係しており、音楽の発展に大きな影響を与えています。
- ソウル:ゴスペルの影響が強く、より感情的なスタイル。
- ファンク:R&Bのリズムをより強調し、ダンス性を高めたジャンル。
- ヒップホップ:R&Bのメロディをラップと融合し、90年代以降多くの共作が誕生。
- ネオソウル:R&Bにジャズやヒップホップの繊細さを加えた、よりアーティスティックなスタイル。
5. なぜR&Bは今も愛されるのか
R&Bは常に「時代の感情と都会的な空気感」を映す鏡のような音楽です。 柔らかくも切なく、官能的でありながら普遍的──そんなサウンドは、恋愛や人間関係が複雑な現代社会の中で、多くの人に共感を与え続けています。
もしあなたが「ちょっと気持ちを落ち着けたいとき」「恋をしているとき」「夜の街を歩くとき」に合う音楽を探しているなら、R&Bの世界に足を踏み入れてみてください。 あなたの鼓動と同じリズムを刻む音が、きっとそこにあるはずです。
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