フュージョンとは|音楽ジャンル解説シリーズ
公開日:2025.11.18 更新日:2025.11.18バンド楽器音楽のマナビ
「ジャズの自由さ」「ロックのエネルギー」「ポップの聴きやすさ」「ファンクのノリ」――これらを全部混ぜてスタイリッシュに仕上げた音楽。 それが「フュージョン」です。名前の通り、さまざまなジャンルを“融合(Fusion)”して作られた音楽スタイルであり、 1970年代以降、ミュージシャンたちの冒険心とテクニックによって発展していきました。 今回は、フュージョンの歴史やサウンドの特徴、名曲を紹介しながら、その魅力を初心者にも分かりやすく解説します。
目次
1. フュージョンという名前の由来と歴史
「フュージョン(Fusion)」という言葉は英語で「融合」という意味。 1960年代終盤から1970年代にかけて、ジャズミュージシャンたちがロックやファンク、R&Bなどの要素を取り入れ始め、より電気的でダイナミックなサウンドを追求したことで誕生しました。
その流れを決定づけたのが、マイルス・デイヴィスの『Bitches Brew』(1970)。この作品はジャズとロックの融合を本格化させ、現在の「ジャズ・フュージョン」の原点とされます。 マイルスのバンドからは、後にWeather Report(ウェザー・リポート)やMahavishnu Orchestra、Return to Foreverといった伝説的フュージョングループが派生しました。
1970〜80年代になると、フュージョンはよりキャッチーかつ洗練されたサウンドへ進化し、日本でもカシオペア(CASIOPEA)やT-SQUAREが大人気に。 特にT-SQUAREの「TRUTH」はF1中継テーマとして爆発的な知名度を得て、日本のフュージョン史を象徴する楽曲となりました。
2. フュージョンのサウンドと構成の特徴
フュージョンの特徴を一言でまとめるなら、「ジャズの即興性+ロックの電気サウンド+ファンクのグルーヴ」です。 以下に代表的な要素をまとめます。
- 電気楽器の積極的活用:エレキギター、エレクトリックベース、シンセサイザーなど。
- 高度な演奏テクニック:ジャズ由来の即興ソロや複雑なコードワークが多い。
- グルーヴ感の強調:ファンクに影響を受け、ベースラインやドラムのノリが強調。
- キャッチーなメロディ:特に80年代以降のフュージョンは耳なじみの良いテーマを重視。
- インストゥルメンタル中心:ボーカルが入らず、楽器自体が“歌う”形式が主流。
聴きやすいのに奥が深い――それがフュージョンの醍醐味です。
3. 代表的なフュージョン楽曲3選
ここでは、入門にもぴったりな3曲を紹介します。
- Weather Report「Birdland」
明るくキャッチーなメロディで世界的にヒット。フュージョンの代表曲として有名。
- Herbie Hancock「Chameleon」
ファンキーなシンセベースのリフと即興ソロが特徴。クラブ系にも影響を与えた名曲。
- T-SQUARE「TRUTH」
日本を代表するフュージョンの名曲。疾走感のあるメロディでF1中継のテーマとして知られる。
他にも、Return to Forever「Spain」やCASIOPEA「Asayake」など、アンサンブルと即興の完成度が高い楽曲が多く存在します。
4. フュージョンと近接ジャンル
フュージョンは「ジャズと他ジャンルの架け橋」となる音楽で、多くの派生ジャンルが誕生しました。
- ジャズ・ロック:よりロック寄りで、刺激的なギターが主役になるスタイル。
- スムース・ジャズ:メロウで聴きやすく、BGMとしても人気のある柔らかいフュージョン系統。
- クロスオーバー:ジャズとポップスの中間的存在。フュージョンとほぼ同義で使われることもある。
- ファンク・フュージョン:ベースとリズムを強調し、体を動かしたくなるノリを追求したスタイル。
5. フュージョンが今も人気であり続ける理由
フュージョンは「技術」「自由」「ノリ」のバランスが絶妙で、楽器を演奏する人から絶大な支持を得ています。 また、インスト中心で歌詞に縛られないため、作業用BGMとしても人気。 さらに近年ではYouTubeや配信サイトで若い世代にも聴かれるようになり、再評価の波もきています。
「難しそうだけどカッコいい」。そんな第一印象でOKです。 そこから少しずつ“音の化学反応”を楽しんでいけば、フュージョンの世界はきっとあなたを虜にします。
さあ、エレキギターとベースが走り出す瞬間に耳を傾けてみませんか?
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