ピアノの特殊奏法とは?|鍵盤を超えた音の冒険
公開日:2025.07.15 更新日:2025.09.24クラシック楽器音楽を始めよう♪音楽のマナビ
目次
「ピアノの特殊奏法」とは?
私たちがよく耳にするピアノの音楽は、鍵盤を押してハンマーで弦を叩くという「通常奏法」によって生まれます。
しかし、20世紀以降の音楽では、「鍵盤を弾く」という行為の枠を超えた、さまざまな特殊奏法(Extended Techniques)が登場し、表現の幅が一気に広がりました。
特殊奏法は、音楽に独特の色彩や質感を与えるだけでなく、既存の音楽の常識を揺さぶる革新でもあります。
代表的なピアノの特殊奏法
① 弦を直接弾く(内部奏法)
ピアノの蓋を開けて、手で弦をはじいたり、こすったり、ミュートしたりする奏法。ギターのように弾いたり、ハープのように爪で鳴らしたりすることで、まるで別の楽器のような音色が生まれます。
-
用途: 現代音楽、映画音楽、即興演奏など
-
注意点: 弦にダメージを与えないよう、清潔な指で演奏すること
② プリペアド・ピアノ(prepared piano)
金属、ゴム、紙などの異物をピアノの弦やハンマーに挟み込むことで音色を変える奏法です。打楽器的な効果や、異国情緒のある音が得られます。
-
代表作: ジョン・ケージ《Sonatas and Interludes》
-
楽器への影響: 調律や構造に負担をかけるため、練習用や専用ピアノを使うのが理想
③ クラスタ奏法(cluster)
手のひらや腕全体で複数の鍵盤を同時に叩く奏法。暴力的・衝撃的な音を生み、音楽に強烈なインパクトを与えます。
-
代表作: ショスタコーヴィチ《24の前奏曲とフーガ》の一部、ヘンリー・カウエルの作品
-
演奏のコツ: 動きのダイナミクスとタイミングが命!
④ 弦に弓を当てる・こする
バイオリンの弓などを使って、ピアノ弦をこすって音を出す方法。幻想的な音色を生み出す実験的な奏法です。
-
使用例: スペクトル音楽、音響派などに多く見られます
⑤ 歌いながら弾く
奏者が同時に声を出したり、歌をつぶやいたりすることで、演奏に人間的なニュアンスや即興性が加わります。
-
代表作: ジョージ・クラム《Makrokosmos》
-
演奏者に求められる力: 声と演奏のタイミングの調整力
特殊奏法が活きる名曲紹介
『Sonatas and Interludes』|ジョン・ケージ
プリペアド・ピアノの金字塔。静寂と不思議な音の交錯が、美術的ですらある音響空間を創出します。音が“打楽器化”することで、ピアノの概念そのものを変えた歴史的名作。
『Aeolian Harp』|ヘンリー・カウエル
ピアノの弦を直接指ではじくなど、内部奏法の原点ともいえる作品。微細な倍音や浮遊感のある響きが、風に揺れるハープのような世界を描きます。
『Makrokosmos』|ジョージ・クラム
内部奏法、声の使用、図形楽譜、神秘的なタイトルなどが融合したピアノ表現の極地。演奏者には高い集中力と身体感覚が求められます。
特殊奏法を取り入れるコツと注意点
-
楽器のケアが最優先: 弦やハンマーにダメージを与えないよう、事前に楽器所有者・調律師に相談を。
-
譜読みと構造理解: 通常の五線譜に加えて図形楽譜や特殊記号が用いられる場合があるため、譜面の読み方に慣れることも大切。
-
ピアノ以外の感覚を取り入れる: 打楽器的、弦楽器的、声楽的なアプローチを受け入れる柔軟さが必要です。
いつものピアノに、”冒険心”を。
特殊奏法は決して「奇をてらった演奏法」ではありません。むしろ、ピアノという楽器が本来持っているポテンシャルを最大限に引き出す手段です。
新しい奏法に出会うことで、音楽の聴き方や演奏の意識がガラリと変わるかもしれません。あなたも、鍵盤の向こうにある新たな世界へ、一歩踏み出してみませんか?
クラブナージ音楽教室で、”音の探検”を
クラブナージ音楽教室では、初心者向けの基礎ピアノレッスンはもちろん、現代音楽や特殊奏法に関心がある方への個別レッスンも行っています。
演奏技術を高めたい方も、音の可能性をもっと広げたい方も、自分のペースでじっくりと学べる環境が整っています。
▶ 詳しくはこちら → [クラブナージ音楽教室 無料体験レッスンはこちら]

