微分音とは?|西洋音楽の枠を超える“もうひとつの音階”
公開日:2025.07.15 更新日:2025.07.15音楽を始めよう♪音楽のマナビ
目次
微分音ってなに?半音のさらにその先へ…
私たちが普段聴いている音楽(とくに西洋音楽)は、「12平均律」と呼ばれる仕組みによって音階が構成されています。つまり1オクターブを12の等しい音に分けて、その中で旋律や和声を組み立てているのです。
しかし、この12音だけでは表現できない“その間の音”が存在することをご存じでしょうか?
それが「微分音(microtone)」と呼ばれる音の世界です。
微分音の定義と仕組み
「微分音」は、半音よりも小さい音の間隔のことを指します。たとえば:
-
1/4音(四分音):半音の半分
-
1/8音(八分音):さらに細かい音程差
これらは西洋のクラシック音楽の枠組みでは通常存在しない音ですが、実際には古代音楽や非西洋の音楽文化、そして現代音楽で幅広く使われています。
微分音が出せる楽器たち
微分音は、すべての楽器で出せるわけではありません。楽器の構造上、音程を連続的に変化させられる(可変性がある)楽器が適しています。
トロンボーン
スライドを使って音程を滑らかに変えることができるため、微分音を自由に操れる代表格。現代音楽では、微細なグリッサンドや微分音の装飾が重要な表現手法になっています。
弦楽器(バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス)
指の位置を自由に動かせるため、ピッチを無段階に調整可能。中東音楽や近現代の作品では、微分音が旋律を彩ります。
管楽器(ホルン、トランペットなど)
一見難しそうですが、アンブシュア(唇の形)やスライド奏法によって細かなピッチ調整が可能です。トランペットではヴァルブを部分的に押す「ハーフバルブ奏法」も有効。
声
人間の声は、微分音の最も自然な発生源。東洋の音楽(雅楽、アラブ音楽、インド古典)や現代声楽では、音程の曖昧さが魅力になります。
シンセサイザー・デジタル楽器
最近ではMIDIチューニングやマイクロトーナルスケールを使うことで、電子的に微分音を再現可能に。現代音楽やポップスにも応用されています。
微分音が使われている名曲
『Threnody to the Victims of Hiroshima』 – ペンデレツキ
60人以上の弦楽器が、不協和音と微分音を駆使して極限の緊張感を生む現代音楽の金字塔。
『Talea』 – ジェラール・グリゼー
スペクトル楽派による微分音の探究。倍音構造をベースに作られた、音響芸術としての微分音の世界。
『Maknongan』 – ジョルジ・リゲティ
独奏コントラバスのための作品。微分音によるうなりやノイズ成分が、まるで楽器が“うめいている”かのような表現に。
『声 II』 – 湯浅譲二
日本の現代作曲家による作品。日本語の抑揚や語感を活かした声楽と微分音の融合。
微分音の活用は難しい? → コツとヒント
微分音の演奏はたしかに難しいですが、正確な音程感覚(相対音感)と、耳での調整力を養うことがポイントです。
-
弦楽器:指板上の微妙な位置感覚を身につける
-
管楽器:アンブシュアの柔軟性と耳の訓練が大事
-
声:純正律との違いを体感し、ピッチをコントロールする練習
-
シンセ:調律システムの理解とプリセット管理を行う
微分音は「不安定な音」ではなく、新しい調和と情感を生む音でもあります。
微分音は、音楽表現の可能性を広げる
私たちが「当たり前」だと思っている音楽の枠を超えて、新しい音を探求することは、演奏者・作曲者にとって表現の幅を飛躍的に広げる冒険です。微分音の世界を知ることで、「耳を研ぎ澄ませる力」「表現のニュアンス」を格段に高めることができます。
クラブナージ音楽教室で、音の奥深さを探求しよう
クラブナージ音楽教室では、西洋音楽から民族音楽、現代音楽まで幅広く対応可能な音楽レッスンを提供しています。
微分音のような特殊な表現も、一人ひとりの興味とスキルに合わせて丁寧にレクチャー。弦楽器・管楽器・声楽・電子楽器…あなたの「音の冒険」をサポートします。
あなたの耳と感性で、「音の境界線」を越えてみませんか?
