実は楽器演奏が苦手だった作曲家たちを紹介
2020.08.26音楽のマナビ
昔は演奏家=作曲家で、楽器演奏と作曲は兼業するものでした。
しかし、19世紀以降は演奏家が求められる演奏技術の水準が高くなったため、作曲を行う時間がとれなくなってきました。
その結果、演奏家と作曲家は分業するようになったのです。
分業したことで、演奏家としてはダメでも作曲家として大成するケースが出てきました。
今回は、楽器演奏は苦手でも、作曲の才能を持った4人の作曲家を紹介していきたいと思います。
ベルリオーズ
「幻想交響曲」で有名なフランスの作曲家です。
ベルリオーズは家にピアノがありませんでした。
ただ、ベルリオーズは非常に耳が良く、ピアノで音を鳴らさなくても音をイメージできました。
そのため、ピアノを演奏せずに作曲ができたのです。
あるとき、河原で黙々と楽譜に音を書き入れていたら、警察に不審者として捕まったことがあったそうです。
「作曲はピアノを用いて行う」といった固定観念があったため、不審がられたのでしょう。
ワーグナー
ワーグナーは音楽一家に生まれたのにも関わらず、ピアノやヴァイオリンを熟達させる気はありませんでした。
彼の初期のピアノソナタなどは、楽器が弾けない人の作品に見えます。
しかし、指揮と歌はプロレベルで、哲学方面の教養などが他の作曲家よりあったため、オペラや楽劇の作曲家として大成することができました。
リムスキー=コルサコフ
交響組曲「シェエラザード」や「熊蜂の飛行」が有名な作曲家です。
作曲家にしては珍しく、ピアノは15歳まで習ったことがありませんでした。
ただ、海軍に所属していたため管楽器の知識が豊富だったようです。
オーケストレーションの上手い作曲家として、音楽院の院長まで出世することができました。
ドヴォルザーク
交響曲「新世界」で有名な作曲家です
村のオルガン学校は卒業したみたいですが、オルガニストとして活動した形跡はありません。
また、プロのオーケストラでヴァイオリン・ヴィオラを弾いていましたが、あまり上手ではなくてイジメられたことがあったようです。
彼をイジメた同業者も、まさかチェコを代表する作曲家になるとは予想もしなかったでしょう。
まとめ
クラシックの作曲家はピアノを使って作曲するイメージがありますが、実はそうとは限りません。
楽器が苦手であっても、どこかで突出した知識や才能があれば作曲家として大成することができるのです。