大作曲家が書いた問題作⁉を紹介(前編)
2020.08.18音楽のマナビ
歴史に名を残す天才作曲家は、今なお人々を魅了する傑作を多く書き上げました。
しかし、天才が書いた作品だからといって100%傑作とは限りません。
明らかな失敗作や、気休めで書いたと言われる作品、またはうっかり後世に残った練習曲もあります。
今回は、大作曲家の書いた珍作・失敗作など問題作を紹介します。
(あなたのお気に入りの1曲であってもご容赦ください…)
モーツアルト「音楽の冗談」
意図的に稚拙な作曲技法を用いている問題作です。
スキルの低い作曲家を小馬鹿にした、悪意のある作品だといわれています。
交響曲40番をはじめとした、後期の傑作が生まれる直前に書かれました。
シューマン「ヴァイオリン協奏曲」
シューマン亡き後、シューマンの妻・クララと弟子のブラームスが、本作品の存在を抹消しようと試みたと言われています。
巨匠・シューマンにしては、質が低い曲だと思ったようです。
たしかに傑作と言われている「ピアノ協奏曲」などに比べると、精神病の影響が作品に滲み出ていると言えなくもありません。
偉大な作曲家の名誉を守るためか、シューマンの死ぬ間際に書いたいくつかの作品は今でも損失したままのようです。
この曲も一旦は封印されたものの、後年ナチスのプロパガンダに利用され、大々的に再演されました。
なんとも皮肉ですね。
リムスキー=コルサコフ「ピアノ三重奏曲」
50歳を超えてから書いたピアノ三重奏曲であるが、自他ともに認める失敗作です。
第1楽章の冒頭はロシア的で魅力があるが、それ以外のクオリティーは大変低いといえます。
大作曲家が書いた問題作、いかがでしたでしょうか?
後編でも、いくつか問題作を紹介します。