オーケストラに必要な人数は何人?
2020.08.09音楽のマナビ
さまざまな楽器の演奏家が、豪華絢爛なサウンドを生み出す集団、オーケストラ!
オーケストラのコンサートでは、舞台上にあふれるくらいの演奏家がいます。
あなたはオーケストラのコンサートに行った時に、何人の演奏家がいるか数えたことはありますか?
今回は、小さな室内オーケストラから巨大なオーケストラまで、クラシックで用いられる様々な編成について解説していきたいと思います。
(特殊な編成や吹奏楽は今回は除きます)
1.弦楽オーケストラ
弦楽器のみのオーケストラが事実上最も小さなオーケストラで、だいたい12名~30名で編成されます。
パートは、バイオリン2パート(第一バイオリン・第二バイオリン)に、ビオラ、チェロ、コントラバスが加わります。
バイオリンの人数が多く、下の音域の楽器にいくほど人数は減ります。
(例)※【】内が人数です。
第一バイオリン【6】
第二バイオリン【5】
ビオラ【4】
チェロ【3】
コントラバス【1】
計19名
バロックのオーケストラでは、この編成にチェンバロが入ることもあります。
2.モーツアルト初期のオーケストラ
だいたい15名~30名の編成です。
先述した弦楽合奏に、木管楽器であるオーボエ2本とホルン2本が加わります。
3.モーツアルト中期以降のオーケストラ
初期と比べると弦楽器の人数が少し増え、18名~35名ほどの編成になります。
木管楽器はオーボエとホルンに、フルートとファゴットが加わります。
曲によっては、トランペットやティンパニーも登場します。
4.2管編成のオーケストラ
多くのオーケストラにおいて標準的な編成で、人数は50名ほどです。
2管編成とは、ざっくりいえば1つの楽器に2人の奏者が必要な編成です。
弦楽オーケストラの5つのパート+主要な管楽器で構成されています。
木管楽器は、フルート・オーボエ・クラリネット・ファゴット、
金管楽器はトランペット・トロンボーンが使用されます。
打楽器はティンパニーが主ですが、曲によっては太鼓類も使用されます。
また、ピッコロ・チューバ・ハープが活躍することもあります。
5.3管編成のオーケストラ(75名程度)
3管編成のオーケストラの人数はだいたい75名です。
第一ヴァイオリンに14名ほどが起用され、ボリュームのあるサウンドになります。
管楽器は1つのパートに3人必要になるため、コールアングレ・バスクラリネット・コントラファゴットなど普段はあまり見かけない楽器が使用されることもあります。
多くのオーケストラ曲は、3管編成以内の編成で演奏が可能です。
6.4管編成以上のオーケストラ
4管編成以上ともなると、人数は100名を超えます。
19世紀後半には、ワーグナーやマーラらによって超巨大編成のオーケストラ曲が多く生み出されるようになりました。
巨大な編成の有名な例として、マーラーの「千人の交響曲」があげられます。
この曲にはなんと1000人以上の演奏家が必要になります。
使われる楽器は以下の通りです。
※【】内が人数です。
◎管楽器
フルート【4】
ピッコロ【複数】
オーボエ【4】
コールアングレ【1】
クラリネット(B♭管)【3】、
小クラリネット(E♭管)複数
バスクラリネット【1】
ファゴット【4】
コントラファゴット【1】
ホルン【8】
トランペット【4】
トロンボーン【4】
チューバ【1】
◎打楽器
ティンパニー3台×2人
バスドラム【1】
シンバル【3】
鐘【2】
タムタム
トライアングル
グロッケンシュピール
◎弦楽器
第一バイオリン【25】
第二バイオリン【25】
ヴィオラ【20】
チェロ【20】
コントラバス【18】
◎その他
チェレスタ【1】
ピアノ【1】
オルガン【1】
ハルモニウム【1】
ハープ 2パート【いずれも複数】
マンドリン【複数】
楽器だけではなく声楽も加わります!
ソプラノソロ【3】
アルトソロ【2】
テノール【1】
バリトン【1】
バス【1】
児童合唱【1】
混声合唱【2】
まとめ
一言で「オーケストラ」といっても、曲、時代によって人数の差があると言えます。
オーケストラの変わった編成、すなわち変則的な編成については、またいつか紹介しようと思いますのでお楽しみに!