おすすめのホルン曲を紹介(後編)
2020.08.01音楽のマナビ
ホルンは、その美しい音色で多くの人々、そして作曲家をも魅了してきました。
また、「世界で最も難しい金管楽器」として、ギネスにまで登録されています。
後編でも、そんなホルンの名曲の数々を紹介していきたいと思います。
スクリャービン「ロマンス」
スクリャービンが若い頃に書いた作品です。
音楽学校の課題として、通学中の汽車の中で書き上げた曲であると言われています。
グリエール「ホルン協奏曲」
グリエール後期の傑作です。
ボリショイ劇場管弦楽団の首席ホルン奏者を務めたヴァレリー・ポレフに、「チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲のような曲を書いてほしい」と依頼され作曲しました。
1951年に完成されたのにも関わらず、メンデルスゾーンのような初期ロマン派の作風を持っています。
美しい旋律がふんだんに盛り込まれている点が魅力です。
プーランク「ホルンとピアノのための『エレジー』」
生粋のパリジャンであった作曲者・プーランクには2つの顔がありました。
1つ目の顔は、子供のように無邪気な顔。冗談の効いた愉快な音楽をたくさん書いてきました。
2つ目の顔は、非常に大人で真面目な顔。宗教について、人生について、音楽を通して語ってきました。
プーランクの「エレジー」は、ホルンの名手デニス・ブレインへの追悼として書かれたと言われています。
リヒャルトシュトラウス「ホルン協奏曲第1番」
リヒャルトシュトラウス「ホルン協奏曲第2番」
リヒャルトシュトラウスは、現代的になったワーグナーを少しシューマン風にしたような作風を持ちます。
つまり、近代以降の作曲家の中では、聴衆に迎合した保守的な作風といえます。
ホルン協奏曲は、2曲とも聴く分には(リヒャルトシュトラウスの中では)簡潔で分かりやすいですが、演奏するとなると超絶技巧の連続で困難を極めます。
リゲティ「ハンブルク協奏曲」
戦後の現代音楽において孤高の存在といえる作曲家・リゲティ。
調性的だが歪んだ響き、民族性と現代性が融合したリズム等、リゲティの個性は当楽曲でも健在です。
また、通常のダブルホルンとバルブのないナチュラルホルンを、曲中で持ち替えて使用する点が特異的といえます。
まとめ
古今東西の大作曲家に愛されているホルン。
音域も広い上に、どんな役割もこなすことのできる楽器でもあります。
これからも、さまざまな音楽シーンで大活躍していくことと思われます。