プロの「オケマン」になるためにはどうすれば良いか(後編)
2019.09.05上達のコツ
前編では、オケマンになるまでの過程についてお話しました。
後編では、プロのオケマンになるために満たしておくべきいくつかの条件についてお話ししていきたいと思います。
オケマンになれる条件1「機敏であること」
オーケストラでは、一部を除いて高い音楽性はあまり求められません。(コンマスと管楽器の主席はソロがあるので別ですが)
音を正確にコントロールすること、周りの演奏にピッタリ合わせることが最重要視されます。
そのため、俊敏さと周りで起きていることを察知する力が必要です。
オケマンになれる条件2「挙動不審でないこと」
あまりに癖のある演奏フォームであったりすると、オーケストラの中で目立ってしまいます。そのため、集団に溶け込むことのできるような標準的なフォームが求められます。
また、オーケストラ団員は職人肌で、気難しい性格の人も多いです。
周りに対して違和感をもたらしたことが原因で、最悪の場合辞職に追い込まれることもあるかもしれません…。
オケマンになれる条件3「協調性があること」
オーケストラのエキストラの仕事をもらうことは、オケマンになる第一歩です。
そのためには、オーケストラにエキストラを手配する人物(音大の大学教授、先輩など)との繋がりが無ければいけません。
非常に旧時代的ですが、年長者との飲み会には積極的に参加するといいでしょう。
社会人としてしっかりしていることと、音楽業界特有のヤクザっぽい大人の雰囲気を出せることが、仕事をもらうことに繋がります。
オケマンになれる条件4「運に恵まれていること」
演奏のコンディション、求人票がでるタイミング、コネクション等、様々な要素がうまく結合することで、オーディションの合格へ至ります。
どんなに実力があっても、運に恵まれないとオケマンになることはできません。逆に、受験者に多少の欠点があっても、それを上回る長所を評価するオーケストラもあります。
一般企業と同じくオーケストラにも社風があるので、相性のいい社風のオーケストラを受験したほうが良い結果に繋がるでしょう。
以上が、プロのオケマンになるために満たしておくべき条件です。
演奏家として生計を立てていく上で、オーケストラ団員になる夢をもつ若者は多くいます。それは非常に厳しい道で、努力が報われるとは限りません。
たとえオーケストラ団員になることができても、できなくても、音楽の道に終わりはありません。
一歩一歩、研鑽を積んでいくことが大切かと思われます。