プロの「オケマン」になるためにはどうすれば良いか(前編)
2019.09.04上達のコツ
若い音楽家の多くは、プロのオーケストラ奏者、すなわち「オケマン」になることを切望します。
理由は大きく分けて、
①収入の安定(単発で来る演奏の仕事は年齢が上がると減っていくため)
②オーケストラが好き
③集団行動が好き
といったところでしょうか。
では、どうしたらプロのオケマンになれるのかを、今回は考察していきたいと思います。
オケマンになるために、まずやらなければいけないこと、それはプロの音楽仲間を作ることです。
そのためには、プロのいるコミュニティに近づかなければいけません。
その具体的な方法とは、
①優秀な音楽指導者と師弟関係を結ぶ(弟子同士の横のつながりも重要)
②芸術系の教育機関に所属する
③コンクール・講習会に参加する
これらの活動を通して、音楽関係者の知り合いを増やしていきます。
そうして築いた人間関係の中で、自身の演奏能力をアピールすることが重要です。
クラシック音楽の演奏家として信頼されるようになれば、自然とオケマンにもあなたの実力が認知されていきます。
苦労の末、関係者とパイプができた後は、プロのオーケストラにエキストラ(1回限りのバイト)として参加し、オーケストラで弾くコツを掴んでいきます。
また、団員募集オーディションに頻出する課題を前もって学習することも非常に重要です。
課題は大きく分けて、モーツアルトやメンデルスゾーン等の協奏曲か、オーケストラスタディ(オーケストラ曲のなかで演奏難易度が高い箇所の抜粋)であることが多いです。
プロのオーケストラに欠員が生じると、募集がかかります。
募集には何十人も音楽家が殺到し、演奏審査を経て正団員のイスを勝ち取ります。
(一部では、優秀な演奏家の裏口入団も存在します。コネというよりは、他のオーケストラに入団する前に青田買いをする目的があります)
入団後は、半年から1年に及ぶ長い試用期間があります。
試用期間中は、
①団で必要とされている演奏が出来ているか(癖のある演奏は問題視される)
②社会人として生活態度に問題がないか(挨拶ができているか、時間を守ることができるかなど)
といった働きぶりを、団員全員から厳しい目でチェックが入ります。
一般企業に比べてかなり長い試用期間のあと、団員によって正団員にふさわしいかどうかを問う投票が行われます。
一定数の支持を得ることで、正規雇用として団員になることができます。
以上が、プロのオケマンになるまでの過程です。
なかなか厳しい道のりですね・・・
さらに、オケマンになるにはいくつかの条件を満たしていなければなりません。。
その条件については、後編にてお話します。